後は、当日子どもたちがやってくるのを待つだけです。
バス停のベンチづくりの合間におじさん手づくりの紙芝居を観る秋津っ子たち。2015年春
事前の参加届けなどは、主催する秋津コミュニティの「自主性を尊重する原則」から一切しません。
だって、生涯学習は、だれかに強制されてするものではなく、自らの意志で行うものであり、楽しければ参加するでしょうし、楽しくなさそうと感じるのであれば参加しなくても良いからです。
このことは、子どもが対象であっても同じです。
いやむしろ、子どもだからこそ、自主性を子どもの時から育む体験が大切なんだと思うんです。そんな体験の場を、大人は考え抜いてつくり実践することが大切だろうと思うんです。
すると、「子どもがだれもこなかったらどうするの?」と、心配するPTA役員のお母さんから質問がありました。
私は、「その時は『参加者がいないので、バザーは中止です!』の張り紙をします。だって、やりたい子がいないんじゃできないんだからさー」と、お気楽さんに答えました。
公共性も身に付ける
ところがそんな心配をよそに、当日の開始時間になると子どもたちがどんどんと、ダンボールをかかえてやってきました。
なかには、ダンボール箱が大きすぎて、ずるずると引きずりながらやってくる子もいます。
「おじさん、どこでやればいいの?」
「そんなの自分で考えろ!」
「ほら、このゴザひけ!」
「値段は自分で付けろよ!」などと、お父さんたちはうれしさを隠すためにわざとぞんざいな口振りになって子どもたちの応対に追われることになりました。
終わってみると、ゴミも自分で片付けるし、貸したゴザも「ありがとうございました!」とのお礼の言葉とともに元気に返しに来ました
また、稼いだお金の10%の所場代も、きちんと自主申告にやってきました。