その子たちに訊ねました。
「おまえたち、来年もやりたいか?」と。
「うん! 楽しかったから来年もやりた~い!」と、子どもたちは口々に言いました。
こんな言葉にお父さんたちは励まされ、1996年の開始から今日まで秋津っ子バザーは毎年続いています。
子どもたちは、売り買いを通して自主性やお金の価値を学んだでしょうし、大げさにいえばリサイクルや消費者教育にもなっていると思います。
いずれ秋津を巣立つ子どもたちには「楽しいことをするには、自発性とともにみんなが楽しめる一定のルールがあること=公共性」を身に付けてほしいと思います。
そんな地域の行事に呼応して、冒頭の苗の販売は行われたのでした。
地域の記憶と学校の記憶の紡ぎ合い
思い起こすと空き缶を集めてユニフォームを買おうとした子どもたち、自分たちが授業で育てた苗の販売、秋津っ子バザーなどの長年かけての金稼ぎをめぐる連鎖も、地域の記憶と学校の記憶の紡ぎ合いと思うのです。
地域は大局的な視点から「子どもの育ちにとって、良いことは良い」としっかりと伝え、そのことで喜びを感じた子どもたちは、親や地域の大人を信頼するでしょうし、それを兄弟姉妹や世代を超えて伝えあうものと思います。
そして、こういった地域の特長に、鋭敏に反応する先生であれば思わぬすばらしい教育実践が可能なのではないでしょうか。
私たち秋津の大人は、そんなことを感じながら、意のある先生方とともに、自信を持って学校を拠点に子育てに挑んでいけると思っています。
なお今回の後半の写真は、この春に工作クラブの教室として休日に実施中の「バス停のベンチづくり」の様子です。まちなかの3カ所のバス停に置くのですが、今回で3回目のフルチェンジです。
では次回まで、アディオス! アミ~ゴ!
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