2022年11月27日(日)

Wedge REPORT

2015年4月28日

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勝川俊雄 (かつかわ・としお)

東京海洋大学准教授

1995年東京大学農学部水産学科卒。97年同大学大学院農学生命科学研究科修士課程修了。2002年同大学大学院農学生命科学研究科博士号取得(論文博士)。三重大学生物資源学部准教授等を経て15年4月より現職。

クロマグロを減少させたのは日本

 図はクロマグロの国別の漁獲量である。圧倒的に日本の漁獲が多い。メキシコは、餌を求めて回遊した10~20キログラムぐらいの未成魚を捕まえて、餌を与えて太らせてから、日本に出荷している。それ以外の韓国、台湾、米国の漁獲は微々たるものである。「中国、韓国のせいでクロマグロが減っている」と勘違いしている日本人が多いのだが、クロマグロが激減した主たる責任が日本にあるのは明らかだろう。

 日本人は、海外から水産資源の持続性に関する指摘を受けると、「我々の食文化を否定するな」と感情的に反発しがちである。しかし、食文化だからという理由で、非持続的な消費を続ければ、遅かれ早かれ資源が枯渇し、文化自体が成り立たなくなってしまう。絶滅危惧種に指定されたという事実をしっかりと受け止めて、子の代、孫の代までマグロ食文化を残せるように、適切な対応をする必要がある。

 クロマグロ資源の減少の背景には、日本の巻き網船団による産卵場での集中漁獲がある。クロマグロは、普段は餌を求めて、太平洋中に散らばっているが、産卵期になると、日本海と沖縄沖の2カ所にある産卵場に群れを作って戻ってくる。

日本のEEZ内にある太平洋クロマグロの産卵場
(注)EEZは大凡の位置 (出所)各種資料をもとに作成

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