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2015年5月1日

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小泉悠 (こいずみ・ゆう)

東京大学先端科学技術研究センター特任助教

1982年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。民間企業を経た後、2008年から未来工学研究所。09年には外務省国際情報統括官組織で専門分析員を兼任。10年、日露青年交流センターの若手研究者等派遣フェローシップによってモスクワの世界経済・国際関係研究所(IMEMO)に留学。専門は、ロシアの軍事・安全保障政策、軍需産業政策など。著書に軍事大国ロシア』(作品社)、『プーチンの国家戦略』(東京道堂出版)、『「帝国」ロシアの地政学』(東京堂出版)。『ロシアの軍事情報を配信するサイト「World Security Intelligence」(http://wsintell.org/top/)を運営。

 しかもウクライナ危機以降、ロシアの最も忠実な同盟国であったカザフスタンとの関係には微妙なすきま風が吹いている。カザフスタンは全人口の3割がロシア系とされ、ウクライナのような「ロシア系住民の保護」という名目で介入を受ける可能性を懸念しているとも、ロシアの対西側関係悪化の巻き添えになりたくないとも言われるが、ロシアの求心力が低下していることは明らかだ。

 こうした中でヴォストーチュヌィ宇宙基地の建設遅れは政権としても座視できないという判断があったのだろう。

 ちなみにプーチン大統領は今月、ロゴージン副首相と連邦宇宙局のコマロフ長官を呼んで、なんとしてもヴォストーチュヌィ宇宙基地を必ず期限通りに建設するよう厳しい表情で言い渡した。とはいえ積み重なった工期遅れは容易に取り戻せるものではなく、報道ではまず衛星打ち上げ用の無人ロケット施設の建設にリソースを集中して年内の完成を目指し、代わりに有人打ち上げ施設の完成を2年遅らせる計画であると伝えられる。

  
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