しかもウクライナ危機以降、ロシアの最も忠実な同盟国であったカザフスタンとの関係には微妙なすきま風が吹いている。カザフスタンは全人口の3割がロシア系とされ、ウクライナのような「ロシア系住民の保護」という名目で介入を受ける可能性を懸念しているとも、ロシアの対西側関係悪化の巻き添えになりたくないとも言われるが、ロシアの求心力が低下していることは明らかだ。
こうした中でヴォストーチュヌィ宇宙基地の建設遅れは政権としても座視できないという判断があったのだろう。
ちなみにプーチン大統領は今月、ロゴージン副首相と連邦宇宙局のコマロフ長官を呼んで、なんとしてもヴォストーチュヌィ宇宙基地を必ず期限通りに建設するよう厳しい表情で言い渡した。とはいえ積み重なった工期遅れは容易に取り戻せるものではなく、報道ではまず衛星打ち上げ用の無人ロケット施設の建設にリソースを集中して年内の完成を目指し、代わりに有人打ち上げ施設の完成を2年遅らせる計画であると伝えられる。
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