世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年5月25日

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 アジアの将来は、安倍総理が差し伸べた手をオバマが握るかどうかにかかっている、と論じています。

出典:Michael Auslin,‘Where Does Obama Stand on Japan?’(Wall Street Journal, April 26, 2015)
http://www.wsj.com/articles/where-does-obama-stand-on-japan-1430065104

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 論説は、4月の安倍総理訪米の主題を日米同盟の将来にあると正しく捉え、安倍総理の安全保障政策を肯定的に評価しています。

 議会演説で歴史認識について踏み込むことを求める向きもあろうが、と指摘しつつ、真の課題はそういう後ろ向きのことではなく日米同盟の将来である、とのオースリンの論の運び方は適切であり、現下の情勢にあって、揺るぎない日米同盟がアジアの安定の重しとなることは間違いありません。

 論説は、総理訪米前に書かれたものですが、安倍総理の米議会演説は、自由、民主主義、人権といった価値を再三再四繰り返し、さらに、日米同盟を「希望の同盟」にしようと呼びかけるなど、まさに期待通りに、日米同盟強化に大いに貢献し得るものとなりました。日本国内の野党やマスコミの一部は、安倍総理が米議会演説で新ガイドラインを肉付けする新しい安保法制を夏までに実現すると表明したことを、国会軽視などとして批判していましたが、そういう批判は国民の多数派にはなっていません。日本国民が日米同盟を重視していることの証左と言えるでしょう。

 この論説で興味深い点の一つは、強固な日米同盟の実現如何はオバマの出方次第である、といっていることです。従来、日米首脳会談は米国の要求なりイニシアチブに日本がどう応えるかという観点から見られてきましたが、それが逆転しています。一つには、オバマが「アジア回帰」の掛け声ばかりで中身を伴ってこなかったことへの不安でしょうが、それにも増して、安倍総理が日米同盟強化、積極平和主義をアクティヴに打ち出している結果として、今やボールがオバマの側に行ったということでしょう。

  
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