「聞いてくれる人」がいるかどうか
イベントは2時間ほどで終了し、女性たちはそのまま帰る人や、ツアーの詳細を聞く人、残って懇親する人などに分かれた。
別の用事があったので、私はそのまま有楽町で移動して、用を済ませてから、午後11時前に駅近くのビルのトイレに入った。すると、会に参加していた女性の一人と偶然、一緒になった。
彼女もツヴァイ経由の参加者で、この時間になるまで参加者同士でお茶をしていたという。
「情報交換をしていました」というので、「地方に行くってどうですか?」と聞くと、「全然、ありですよ」と強く言う。
「だって、相談所に入ったのに、写真がよくないせいなのか、成果が全然上がらないんです」
と必死な表情で訴える。
もの凄く社交性があるわけではなさそうだけれど、しっかりしている30代。私には、ごく普通の可愛い女性だと感じられた。
そんな彼女は、会が終わってから2時間あまりも、初対面の相手と盛り上がっていたのだ。新しい環境になじむ素地は、十分にあるといえそうだ。
しかし、それも彼女を「受け入れてくれる体制」があってのこと。
一生懸命、私に話し続けてくれる彼女を見ながら、「“受け入れられている”と思えるかどうかって、“話を聞いてくれる相手がいるかどうか”なのかもしれないな」と思った。
駅に着いたので、「じゃあ、これで」と立ち去ろうとすると、遅い時間だったにもかかわらず、彼女は改札を抜ける私をしばらく見送ってくれていた。
⇒第1回(来週配信予定)に続く。
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