世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年8月13日

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 習近平政権は既に失敗した政策を続けている。7月3日には家を抵当に借金し、株投資することが許された。しかし株暴落、株価支持の失敗は政策再検討につながるべきである。習近平は市場の結果ではなく、市場ルール整備に注意を集中すべきである、と述べています。

出典:‘Lessons of China's Crash’(Wall Street Journal, July 8, 2015)
http://www.wsj.com/articles/lessons-of-chinas-crash-1436385994

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 中国の株暴落は中国の個人投資家に大打撃を与えています。中国では、個人投資家が多く、かつ借金してまで株を買っている人も多くいます。今度の暴落は社会不安につながる可能性があります。それで、中国指導部は必死になって、株式市場を立て直そうとしているのです。

 この二つの社説は、いま中国がとっている市場介入策は功を奏するとは思えない、市場の健全化がより重要、と論じています。正論ではありますが、悠長な話で、当面はこの株下落を止める手を打つ以外にはないのではないでしょうか。ただ下落を止めうるかは分かりません。上海市場の規模と、打てる手の額には差があり過ぎます。

 中国の実体経済への影響について言うと、この暴落が影響しないわけはありません。資産が失われたのですから、消費に悪影響があるでしょうし、資金調達が阻害されますから、投資にも悪影響が出るでしょう。問題はどれくらいの悪影響かですが、企業の投資資金の内、証券市場で調達されている分と銀行融資はどういう比率かなど調べないと、はっきりした結論は出ないでしょう。

 中国経済は今回の株価暴落に現れているように、最近少しおかしくなっています。李克強首相は、(1)鉄道輸送量、(2)電力消費量、(3)企業の出荷、の三つの指標を見て経済状態を判断する、と言ったことがありますが、この三指標はいずれも伸びておらず、減っています。

 今度の上海株暴落は、日米の株の下落に、ギリシャ問題以上に響いた感があります。中国経済全体の減速は、日米などの経済、世界経済全体に下降圧力になると思われます。警戒心を持って見ていく必要があるでしょう。

  
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