2024年11月23日(土)

田部康喜のTV読本

2015年9月16日

 須磨は玲奈の目立ちすぎる美貌を目にして、影のように動く探偵には向いていないという。玲奈はいう。「探偵になりたいのではない。探偵のすべてを知りたい」

 玲奈は、咲良を死に追いやった探偵を追いつめたいのである。彼女はその探偵を「死神」と呼ぶ。

悪徳な探偵を排除して、業界を浄化したい須磨と玲奈の思惑が一致して、玲奈は探偵の養成コースを修了すると、スマ・リサーチに入社して新設の「対探偵課」のたったひとりの課員となる。

 原作の玲奈の容貌とスタイルは、主人公役の北川景子の姿と寸分も異なっていないといえるだろう。あたかも北川のために書かれた小説のようである。

 玲奈は「死神」がカゲにいると思われる事件に次々と巻き込まれていく。悪徳探偵やハングレと戦う北川景子のアクションが素晴らしい。北川の過去の作品にはなかった、新しい彼女の魅力である。

 戦いながら、顔や腹、腕や足を痛めつけられ、血を流す北川の演技は壮絶である。表情をいっさい変えない。内心の苦悶を決して顔にださない。クール・ビューティーの北川の転機となる作品である。

 最終回に向かって展開する事件は、郊外のDVシェルターから12人の女性が連れ去られた出来事である。

 ハングレ集団が、女性たちの夫や恋人から1人当たり300万円の支払いを受けて、彼女たちを彼らに引き渡そうとしていた。

 いくつかの事件を通じて、信頼し合う仲になった警視庁の警部補の窪塚悠馬(三浦貴大)と、連れ去られた女性たちを追う。


新着記事

»もっと見る