家電口論

2015年9月29日

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多賀一晃 (たが・かずあき)

生活家電.com主宰

スマート家電グランプリ審査員。主催する『生活家電.com』を通じ、家電の新製品情報、使いこなし情報他を発信中。過去、某メーカーでAVメディアの商品企画を担当、オーディオ、光ディスクにも精通。また米・食味鑑定士の資格を有する。水、米、パン、珈琲、お茶の味に厳しい。

スマホが関わると何が違うのか?

 スマホとリモコンの違いは、スマホの後ろには「インターネット」が付いていると言うことです。今年1月、米国で行われたCESで使われた「Iot(Internet of things)」というワード は、大ブレイクとは言いませんが、今年流行している言葉の1つです。何でも、インターネット接続してやろうということです。その中には、白物家電も入っています。白物家電は、昔から、単独で使えることが基本でした。山の中の一軒家でも、電気があれば使える。

 例えば、冷蔵庫。食品を断熱箱に入れ、ヒートポンプ(冷凍機)を取り付け、これによって庫内の熱を外部に排出し内部を冷やします。これに温度設定できるようにしたのが、今だと最も原始的と言えます。これに対し、今の冷蔵庫は、各種センサーで今自分がどのような状態にあるのか、判断します。そして、その判断を元に自動でベストの対応を行う。このセンサー情報の判断、そしてその対応に内蔵コンピューターが使われます。 

東芝製初期冷蔵庫。PCとは縁のない時代の家電。 東芝未来科学館のヒストリーコーナーで撮影

 新しい冷蔵庫と古い冷蔵庫で何が違うかというと、センサー情報に対する対応の仕方が違うのです。人間でいうと経験ですね。判断の仕方がより的確になるわけです。スマホにつなげられるということは、白物家電では行ってこなかったアップデートが可能になります。考えてみてください、放送の空いている時間を使って、アップデート用のデーターを流し、DVDレコーダー等がアップデートされている時代ですよ。

 白物家電も、その頭脳はPCと同じCPUですからね。その頭脳を良くしてやることは可能なのです。まあ、頭脳をアップしても、機械部分がついてこれないことは往々にしてある話で、アップデートの意味があるのかという問題はついて廻りますが。しかし、製品だけではなく、追加情報を出すことによりサービスを、メーカーから提案する時期が迫って来ているわけです。

設定情報は、新しい価値を生む

 また、新しい価値を生むことも可能です。冒頭のデロンギの自動コーヒーメーカー。例えば、町に美味しいコーヒー屋さんがあるとします。コーヒー屋さんですから、カプセルではなく豆です。当然ファンは、その味を再現したくて堪らないわけです。で、コーヒー屋さんが、デロンギの自動機で、そのコーヒーの味を出すための設定を教えてくれることになったら……。当然、試してみるでしょう。日本で高名なカフェの「豆と設定情報」の組み合わせを販売するという様な新しいビジネスが成立するわけです。

 洗濯機もそうですね。洗剤メーカーが、自分の洗剤に最も合う設定を開示、洗剤の拡販に結びつけることも、可能なサービスになります。ネットにつながった瞬間、白物家電でも「情報」が大きな意味を持つようになります。

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