7月26日、シャープが直流(DC)エアコンを年内に発売するとのネットでニュースが流れました。このエアコン、完全に新設計のエアコンかと言えば、少々違いますね。理由は簡単です。エアコンは直流で動作しているからです。エアコンは知ってそうで知らない、家電の代表とも言えます。今回は、エアコンの性能を紐解きながら、お得な買い方をレポートします。
問題:DC扇風機と、エアコンの送風モード
どちらが省エネなのか?
2011年の東日本大震災以降、DC扇風機が売れました。理由は、「省エネ」+「弱風」ですね。エアコンは、熱交換器を利用して、「温度」を調整する機能を持つ家電です。HEMS(ヘムス=ホーム・エネルギー・マネージメント・システムのことです。)でも、消費電力が高いため、エアコンはコントロールすべき家電に入っています。
さてここで問題です。扇風機とエアコン、どちらが少ないエネルギーで風を送ることができるのでしょうか? 何人もの知り合いに、この質問をしてみました。答えは、全員「扇風機」でした。
しかし実際は違うのです、エアコンの「送風」モードは、扇風機より省エネなのです。エアコンへのユーザーニーズは、「省エネ」がトップです。これはオイルショック以降、変わっていないと聞きます。
これ別の言い方をすると、40年以上メーカーは、省エネを追いかけ続けたわけです。シャープ、ダイキン工業、東芝、日立、富士通ゼネラル、松下電器(現パナソニック)、三菱電機(以上 五十音並)以上等々、名のある家電メーカーが、時間と、人と、お金を掛けたわけですからね。当然、技術も磨き込まれます。
DCモーターでの送風モードに至るまでの、徹底した省エネ対策も、その1つです。アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の中に「クーラーは人類の至宝。科学の勝利ね。」というセリフがありますが、それは、このアニメが作られた1994年のこと。今のエアコンは、至宝どころか、神業に近い程の完成度になっています。