家電の評論をしている関係上、折に触れ、色々なメーカーさんの新型テレビを見ます。キレイですね。いろいろ言い始めると切りがないことも事実ですが、国内メーカーの画質で「なっていないなぁ」というのがほとんどありません。
キレイです。特に、シャープの4Kモデルはとてもキレイ。「このテレビで起死回生の逆転ホームラン、シャープも安泰!」と言いたいのですが、そんな雰囲気にならない。なぜでしょう。
NHKの技研公開で見た8Kもスゴイ。でも……。
NHKは世界でも有数の放送技術研究所を持っています。毎年5月末に技術発表を行います。技術発表と言っても堅苦しくはないです。どちらかというと、文化祭での発表会の雰囲気に近いです。今年のテーマは”8K”。
チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」の第三楽章のデモを見ました。これはスゴイ。音声は、ピンとこない22.2chとなるのですが、まぁもう桁が違うという感じです。8Kの映像と相まって、ステージ上にいるようです。
「2020年のオリンピックは、やっぱ8Kかなぁ」とも思うのですが、だからと言って4Kを買いに走ろうとは思いません。何故でしょう。ロードマップというものがあります。
数年後、そうなるはずだと言うわけです。一番有名なのは、「ムーアの法則」。一時期一世を風靡しました。これ以降の風潮ですかね。「ロードマップ」を求めて、それを基に動こうとする風潮は。
少なくとも全体の動きが把握できますので、便利なことは便利ですし、一つの組織、会社だけではどうにもならない場合は絶対に必要です。
放送の場合、総務省の「情報流通行政局衛星・地域放送課」が主催しロードマップ策定を行います。総務省は、国内の電波を司りますから、政策の一つと言えるかも知れません。総務省が、関連会社及び、大学教授などの専門家を招集し、作り上げるのがロードマップです。いろいろありましたが、放送のデジタル化は、そのロードマップ通りに行われたわけです。
2014年に、4K・8Kのロードマップが前倒しされたことはご存じだと思います。「『2020年の目指す姿』。東京オリンピック・パラリンピックの数多くの中継が4K・8Kで放送されている。
また、全国各地におけるパブリックビューイングにより、東京オリンピック・パラリンピックの感動が会場のみでなく全国で共有されている。4K・8K放送が普及し、多くの視聴者が市販のテレビで4K・8K番組を楽しんでいる」と、付け加えられ、スケジュールに実験的取り組み開始、試験放送開始、実用放送開始を割り振ったものです。