山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2015年12月30日

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ルワンダを理解するには
宗主国(ベルギー)を知らなければ分からない

 今回は4回目のルワンダ訪問である。泊まったホテルは2006年の映画『ホテル・ルワンダ』の舞台である首都キガリにある「ホテル・ミルコリンズ」である。この映画の内容はホテルに逃げ込んだ1200人ものツチ族を救出した現地支配人を主人公に100日間で100万人が虐殺されるジェノサイドを描いた作品である。

 映画ではホテルのプールの水を飲みながらサバイバルするシーンが印象的だったが、今回はそのプールの横に座って21年前を空想した次第だ。

 ただし、1994年に起きたジェノサイド(大虐殺)の歴史が信じられないほど今では首都キガリは嘘のように治安のよい街になっている。ルワンダは第1次世界大戦まではドイツの植民地であったが、大戦後はベルギーの委託統治領となった。その後、ベルギーが植民地として現地の住民をツチとフツに強制的に分けてその対立を利用した統治を進めた。故意に8割のフツを2割のツチが支配するという差別構造を産んだことが1994年のジェノサイドの伏線となった訳だ。私が気になるのはこの「為さざる罪」である。

 現在のEUの中心はベルギーのブリュッセルに本部がある。ところがベルギー政府が積極的にEUのリーダーになっている訳ではない。私自身、これだけ足しげくベルギーに通っていてもベルギーの首相や政治家の名前さえ覚えられないのは不思議な話だ。裏では色々と画策はしているのだろうが決して表に出てこない陰険な一面すら感じるのである。この事が「為さざる罪」なのではないかと云いたいのだ。

 ついでに云っておきたいが、原爆投下の行為は大統領の命令で某戦闘員が何の罪もない一般人をボタン一つで大量殺りくする行為だがアメリカ国民からすれば積極的な無関心からくる「為さざる罪」の典型例でもある。

京都的な性格を漂わせるベルギー人

ブリュッセルのロイヤルパレスからの景色

 私は20年にわたって毎年ベルギーの首都ブリュッセルに通っている。レアメタルのビジネス交渉のためにベルギー人と密接に付き合っている。

 そんなお付き合いの中でベルギー人の性格は、付き合えば付き合うほど裏表がある人が多いように感じている。表面はのんびりしたタイプでビールが好きで食通の人が多く楽しい雰囲気を持っているが、隣国のフランスやドイツに囲まれているので小国として独立性を維持する為に上手く立ち回っているように感じている。ベルギーの文化は超一流で生活も洗練されているが経済力の面から云えばフランスやドイツには及ばない。

 日本の県民性で敢えていえば京都人的な要素が見え隠れする。表立っては率直には意見を云わず表面的には柔軟なイメージだが仲間内では他人に対して陰口をいう人が多いように感じるのは私だけだろうか。北部は真面目な働き者が多く、南部はラテン気質の社交的なタイプが多いというがこれも見方次第では二面性があると云えなくもない。

 ルワンダの悲劇が生まれたのは、こうしたベルギーの国民性の「ご都合主義」が影響しているのではないかというのが私の見方である。

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