2024年7月13日(土)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2016年1月7日

海軍力増強の必要性を思い知る中国

 しかし、問題は、サウジアラビアとイランの間で軍事衝突が起こってしまった場合である。中国は、中東において、米国の影響力が強くなりすぎることを警戒している。米国がサウジアラビアを強力に支援して、地域のパワーバランスが崩れそうになったと認識したら、中国は、南シナ海において、米海軍に対する圧力を高めるかもしれない。中東に展開する米海軍艦艇の航行を妨害するのである。

 中東で軍事衝突が生起すれば、中国は石油の輸入にも窮することになる。せっかく、ロシアからの天然ガスの購入等によって、ウクライナ危機で経済的窮地に陥ったロシアを助ける形になっているものが、今度は中国がロシアに助けてもらうことになりかねない。これも中国にとっては避けたい状況である。
いずれにしても、中東における軍事衝突は、中国にさらに難しい問題を突きつけることになるのだ。

 しかし、中東の断裂という状況は、中国に軍事力、特に海軍力増強の必要性を思い知らせるものになっただろう。中国人民解放軍の改革は始まったばかりであるが、中国が改革を加速し、空母打撃群を、早期に、インド洋から地中海に展開しようとすることは間違いない。中国は、大国として地域情勢に影響を与えてこそ、自らが生き残れると考えているのだ。

  
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