ルイス・デ・ギンドス経済相は、「政権発足に時間がかかることは良いが、経済政策の面で不安材料なのは、過激な政党が(連立政権に)加わることだ」と指摘。事実上、ポデモスの存在を否定した。
ラホイ首相が11年に就任してから、スペイン経済はマイナス成長を続けたが、この窮地を脱出し、14年には1・4%、15年には3%台まで取り戻した。PSOEが4年ぶりに政権を奪取すれば、経済効果に歯止めがかかると危惧する財界人も多い。
失業手当や親の年金だけで生活する国民を始め、月給663ユーロ(約8万5000円)以下の貧困層と呼ばれる国民のおよそ29%は、腐敗しきった2大政党に牙を剥けている。彼らは、新興政党との連立による新政権で、汚職撲滅こそが急務だと考えている。
ひとつの国に多様な言語・文化・歴史が混在する地方色豊かなスペインで、首相が4年間、任務を遂行するのは容易ではない。国民は、投票の選択肢が少なかった2大政党時代が幕を閉じた今、連立を含めた新しい政治時代の到来を待ち構えている。しかし、決着までもうしばらく時間がかかりそうだ。
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