ふさわしい人材を発掘するには
ヒトのプロたる人事は、もっとビジネスに関与するに相応しい人材の発掘に力を入れるべきだ。社内以外にも目を配って、必要な人材は外部マーケットのどこにいるのかくらい、自ら調査して推測できるようにならなければならない。
そのために筆者は、こまめに技術展示会に足を運んで最新技術の開発者とコンタクトをとるようにしていた。
トップに知られていない人材が日の目を見る機会を作ることも、人事の大きな役割だ。失敗して出世競争から外れた人材は使わないという“減点方式”を採る人事は多い。新しい事業を任せる人材を選ぶときは、必ず失敗した経験があるかどうかを見たほうが良い。
事業を作ることは簡単でないし、やったことが無い人物には分からない。人事は、そのような局面に追い込まれて、苦しみ、悩んで、人間の機微に触れた人材を多く作り、失敗しても再挑戦させてやる必要がある。1度や2度の失敗にへこたれている人物に、新規事業をやりきるマインドは無い。
彼らの多くは変り種で、扱いが難しい。尖った人物を扱うことが出来ずに、扱いやすいメンバーばかりを選んでいないだろうか? 山気があり、独立愚連隊のような人達を上手く化学反応させて、目指すべきゴールへのベクトル合わせをするのが、経営・人事の妙である。
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