2022年8月18日(木)

サムライ弁護士の一刀両断

2016年4月14日

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河本秀介 (かわもと・しゅうすけ)

弁護士

敬和綜合法律事務所所属。東京大学卒業後、三菱重工業での勤務経験を経て、2007年に弁護士登録。以後、会社関係訴訟、企業経営への助言、株主総会指導、M&Aアドバイスなど、コーポレート分野を中心に、幅広い内容の業務を遂行している。

4. 「宝箱の鍵」は「前払式支払手段」にあたるのか?

 この点に関して、資金決済法3条1項は、おおよそ次の条件を全て満たすものを「前払式支払手段」としています。

 ① 金額やポイントなどの数量が、カードなどの媒体(「証票等」)に記載されているか、データとして記録されていること

 ② 金額やポイント数などに応じた対価が購入者・利用者により支払われていること

 ③ 証票等や番号、記号その他の符号が購入者・利用者に対して発されていること

 ④ 利用者が商品の購入やサービスの提供を受けるときに、証票等や番号、記号その他の符号が発行者に対して掲示、交付、通知その他の方法で使用されるものであること

 「宝箱の鍵」は、ユーザーが保有する数がサーバ内で記録されており(①)、ユーザーのアカウントに対して、数量に応じた番号等が発行されていると考えられます(③)。また、ユーザーは、アイテムと交換する際に、アプリ内のボタンをタップし、サーバにデータを送信することで「宝箱の鍵」を使用することができます(④の後半)。

 一方で、「宝箱の鍵」は、直接金銭で購入できず、ゲーム内通貨である「ルビー」と交換することでしか購入できません。そうすると「数量に応じた対価が支払われている」といえるかどうか、やや微妙だということになります(②)。

 また、「宝箱の鍵」は、ユーザーがゲーム内で手に入れる「宝箱」を開けるためのアイテムです。「宝箱」を開けるとアイテムが手に入りますが、かといって「宝箱の鍵」で、ショップに並んだアイテムを自由に選んで購入できるというわけでもありません。果たして、ユーザーが「商品の購入」や「サービスの提供」を受けるためのものなのかという点でも疑問が残ります(④の前半)。

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