これほど美しくてチャーミングな国がどうしてテロリストで有名な国になってしまったのだろうか。
テロほど物騒ではないかもしれないが、ナポレオンが最終的に滅ぶこととなったワーテルローの戦いがあったのも、ブリュッセル郊外のワーテルロー村だ。英国の将軍ウエリントンが勝利者になり、この戦勝の知らせを利用して巨万の富を得たのはロスチャイルドである。
ロスチャイルドと、ロイターのつながり
ロスチャイルドは、ロンドンからこの戦争を見ていた。ただ見ていたのではなく、ドーバー海峡に伝書鳩を用意して万全の準備をしていた。1815年6月18日、優勢のはずのナポレオンが負けたことを、独自の通信網で知ったロスチャイルドは、直ちに英国国債を売却。彼の売却で、事実を知っているはずのロスチャイルドが売ったので、ナポレオンが勝ったとのうわさが広まり、英国国債(ギルドエッジ)は暴落した。十分に下がりきったところで、事実知るロスチャイルドはおもむろに売り物をすべて買い、巨万の富を得た。ナポレオンの敗退を知って直ちに、買いをしても、いくらも買えない。
ロスチャイルドの情報収集の方法を真似てニュースの商人となったのが、ユダヤ系ドイツ人のポール・ジュリアス・ロイター(1816〜99)だ。
ロスチャイルドは、「失われた子ども」という意味ではない。ドイツ語で赤い楯という意味になるのだが、フランスではロッチルドといい、ドイツ語ではロートシルドと何臆面もなく発音する。日中韓のように、漢字でかけば一瞬で意味が通じるものが、欧州でも各国別にひねりが入っているのだ。
その極みが、国内でダブルひねりが入っているベルギーということになる。そもそも、ベルギーなんていう国はない。フランス語ではベルジック、オランダ語ではベルヒー、英語だとベルジャムとなる。
ところで、中年以上の国際ビジネスマンにはなじみが深い、かつてベルギーの国営航空会社はサベナといった。米国のパンナムもJALも破綻したのだから、サベナがなくなっても当然というだろうがそれは違う。
欧州の中心に位置し、当時は利益の高い国際線を運航していた会社だ。小国なのでそもそも国内航空路はなかった。では、なぜ破たんしたのだろうか。