そもそも、他人の外見についてあれこれ言うのは、けなすにしても褒めるにしても品のいいことではない。ビジネス上での建前として(あくまで建前として)、社員のルックスを評価するのはタブーだった。しかし、本来芸能界など一部の業界だけで良しとされていたルックス評価が、昨今の「美人すぎる○○」ブームで、なし崩し的に「アリ」方向へ進みつつあった。フェミニストたちが追及を強められないほどの和やかさとバカバカしさで「美人すぎる○○」は普及してしまった。
こういう「美人すぎる○○」、もしくは「キラキラ広報」系のノリでいけるんじゃないかと企画されたのが「美しすぎず(略)説明会」だったのだろうが、炎上してしまったのは次のような要素があったからなのだろう。
・タイトルをひねったことで悪目立ちしたこと
・自社の社員に対して進んでルックス評価を行ってしまったこと(たとえば「美人すぎる○○」「キラキラ広報」などは、第三者からの評価であることが多い)
・さらに、構造的に社内の男性が女性たちに対して「美しすぎず、ちょうどいい感じの美人」という評価を下しているような印象を与えること
・企業が何かとたたかれやすい「採用」と結びつけてしまったこと
正しいのがどちらかではなく、勝つのはどちらかの話
さて毎回のことながら、炎上の一方で擁護派もいる。批判派の言うことが毎回同じなら擁護派の言うことも同じで、「なんでこんなことにいちいち目くじらを立てるのか」「たかが冗談じゃないか」「そんなこと言ったら○○の企画はどうなの」など。
擁護派は批判派を「なんで怒るのか」、批判派は擁護派を「なんで怒らないのか」という目で見ている。育ってきた環境が違うから、見てきたものが違うから、交わることのない論争だ。