子どもにとって家庭は社会の最小単位であり、
宇宙でもある
――そろそろ最後の質問です。パンプキンさんは4人お子さんがいて、全員がグローバルな活躍をされています。子どもの頃に、海外の文化に触れる機会があったのでしょうか?
パンプキン:あんまりないんですけどね。父親が旅が好きだったから海外も連れて行ったというのはあるけれど。夫は「大きく生きなさい」とはよく言っていましたね。それから「人の役に立ちなさい」。そればっかり。
ただ、次男が人生の転機で、この父に言われていた言葉を思い出すんですって。それを基準に選択してきて、今まで成功しているから悔いはないと。私は夫が「最低でも大統領になれ!」って子どもに言ってるのを聞いて、もっと堅実に……って思ってましたけど、「お前ひとりで育てたら小さい子になる!」って夫婦げんかでした(笑)。
ムーギー:ちなみにこの父(本書で、“ミスター・ビッグボイス氏”として登場)は、何も子育てしなかったですよ。言ってるだけで。
パンプキン:ほんとに何もしなかったですよ。「俺の子だから賢いから」って言って、試験の前日でも「海を見たいんや」って言って連れて行ったり。ミスター・ビッグボイスは、めちゃくちゃなんですけどね。
ムーギー:言ってましたね。子どものときはよくわかっていないから「そうなんや」って(笑)。でもね、これも全てのことはバランスの問題で、ある程度自信をつけさせるのはいいけれど、それが過信になってしまわないようなさじ加減が重要です。
ほめるのは大事だけれど、ほめ方を間違えると副作用が大きいなあと、ミスタービッグボイスの「下手なほめ方」の事例から実感しています。
――そういう意味で、具体例が豊富なことが『一流の育て方』の面白い部分だと思いました。また、読み終えた後に、子どもと良い関係をつくるためには親自身が自分の人生を楽しんで、その姿を子どもに見せることが大事なのだろうなと感じました。
パンプキン:そうなんですよね。親がイライラしてると子どもも敏感に反応したりしてね。親がゆったりしてると、子どももゆったりするものね。
ムーギー:本書で一番強調しているのが、親がニコニコ笑って、愛情をかけているとしっかり子どもに感じさせて、好きなことをやらせること。そうしたらその子育ては大きくは間違ってませんよ、と本書を結んでいます。
子どもにとって社会の最小単位は家庭。そして最小単位でありつつも、子どもにとっては宇宙だったりする。「社会とはこういうものだろう」ということを家族、両親から学びます。
家庭がハッピーだったら世の中って生きてたら楽しいんだって思うんですよね。
・いい学校に入ることだけを目標にせず、「後伸び」する教育を
・自分の「育てられ方」を振り返ることで、自分自身を理解することができる
・子どもにとって家庭は「社会の最小単位」であり、その後の「人生観」の基礎となる
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。