2022年12月2日(金)

WEDGE REPORT

2016年7月30日

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 台湾のウナギ業界だけに影響があるわけではない。ウナギの養殖だけでは生活が苦しい一部の養鰻業者は、台湾スズキやシラエビなどの、他の魚にも手を広げなければならず、兼業することになる。そうなると台湾スズキやシラエビ自体も生産が過剰になるため、もともと安定していた値段が下落することになり、台湾スズキやシラエビ専業だった養殖業者の生活も逼迫することになる。シラスの国外流出の悪影響はウナギ業界にとどまらない。

 私は台湾政府にも養鰻業者の苦境を日頃から訴えている。政府も国内にシラスを残すことに全力を注がずに、異種ウナギの養殖など、新たな取り組みをしており、これには憤りを覚えている。法律違反を取り締まる気がないようにも思える。公権力を駆使して不正を正して欲しい。このままでは台湾の養鰻業者の仕事がなくなってしまう。

 日本が香港からシラスを輸入している現状にも非常に疑問を感じている。違法行為は大反対だ。もし台湾がシラスの輸出をしていくのなら、輸出を禁止している現在の法律自体を変えるべきだ。何より一番の犠牲者は、高い値段でウナギを買わざるを得ない日本の消費者なのだから。

台湾、香港への現地取材についても触れているこちらの記事(土用の丑の日はいらない、ウナギ密輸の実態を暴く)も合わせてご覧ください。

  
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◆Wedge2016年8月号より

 


 

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