「ねばならない」は使わない
ⅲ.目標達成のためのタスク整理
目標が決まったら、その目標をかなえるためにはどんな行動が必要になるのか、親子で話し合います。5つの素養でお話しした通り、「タスクの分解」がキモです。「何を使って」「どこで」「いつ」「どのように」「何を」すればいいのか、徹底的に具体化させていってください。お子さんがいざ取り組もうとする時に全く迷わず行動に移せる状態を目指しましょう。
その際に意識していただきたいのは、「~すれば~できるようになりそう」という話し方です。その行動ができれば、どんないいことがあるかを想像できるように会話します。
決して「目標をかなえたければ~しなければいけないよ」と、「ねばならない」の話し方に陥らないよう気を付けてください。
「やってみたい」という気持ちを引き出すように、期待を込めて、明るくにこやかに話し合います。
ⅳ.各タスクの所要時間計算
次に計画に落とし込むために、各タスクの所要時間を計算していきます。ⅲ.で分解したタスクそれぞれに、どれぐらいの時間がかかるのかを書き足していくだけでいいのですが、一つだけ注意してほしいことがあります。それは、「期待値を書くのではなく、実測値を書く」ということです。目標達成の計画で失敗する理由の大半が、この時間計算を間違ってしまうことにあります。タスクを書き出した時点で、どうしても「この全部をやらなきゃいけない」という気持ちがわいてしまうのです。「~ねばならない」は本当に危険な感情で、これをいだいた瞬間から、自分自身の現実の姿が見えなくなってしまいます。
「タスク全部をこなしたい」という気持ちは横において、あくまでもこれまで積み重ねてきた日々の事実に基づいて、「自分だったら何分ぐらいかかるか」を考えさせるようにしてください。親の期待はあって良いですが、「本当は30分でできるといいんだろうけれど、今は45分ぐらいかかると見ておくのが現実的だね」と、期待と現実とを冷静に区別して語りかけることが大切です。