2024年4月20日(土)

ビジネススキルを活かして楽しむ脱力系子育てのススメ

2016年8月9日

ⅴ.生活時間と欲求の点検

 さてタスクとその所要時間が見えてきましたから、スケジュール作りに入りたいのですが、最初にやることがあります。生活時間と欲求の点検です。睡眠、食事、入浴、登下校、習い事など、子どもの生活にはすでに決まっている生活時間があります。〔STEP6〕でルーティンを整えていますから、ある程度固定化されているとは思いますが、あらためて子どもの生活時間がどのようになっているか点検します。

 そして、「友達と遊びたい」「あのアニメ番組だけは絶対に見たい」「ポケモンGOで遊びたい」といった子どもの「欲求」を確認します。目標達成のタスクだけを先にスケジューリングして、そのあと余った時間がもしあれば遊んでもいいよ、というアプローチでは続きません。不当な我慢を強いられている気分になってしまうからです。欲求は欲求として、まずは「見える化」させることが大切です。親の立場に立つと「そんなくだらないことに時間使わないでよ」と感じることもあるでしょうが、ここでは決して評価を下さないようにしましょう。子どもが「したい」「見たい」と言ったことは、「そうなんだね」とそのまま受け取って箇条書きしていきます。

優先順位をつけることで自立心が高まる

ⅵ.優先順位付け

 ここまでで、目標達成のタスク一覧と、欲求リスト、そして生活時間点検が完了しました。次はお子さんの自立心を育ててくれる重要ステップ、「優先順位付け」に入ります。やることはシンプルで、生活時間を引いた残りの時間の中に、何を入れていくのかを選んでいくだけです。まず、「目標を考えると、これだけは絶対にやりたいと自分で思うものはどれ?」と問いかけましょう。「目標を考えると」と思考に枠をはめることがポイントです。「今のあなたは目標達成に向かおうとしている、成長できるあなたなんだよ」と、ポジティブな自己認識を促すわけです。また「これだけは絶対に」という基準を示すことで、タスク一覧の中での優先順位を考えさせています。

 その次に、欲求リストを指さしながら「自分が元気で楽しく一週間を過ごすには、これだけは絶対にしたい、遊びたいというのはどれ?」と問いかけます。優先度高のタスクを決めたら、その行動を支えるために感情の満足を確保するわけです。ここでも、「絶対にしたい」という基準で欲求を選択させることで、自分にとって大切なことは何なんだろうと考えることを、促しています。

 優先度高のタスクと欲求を選び出して、まだ時間的なゆとりがありそうなら、「じゃあ、残りのタスクの中でやっておきたいものを選ぼうか」と続きを進めます。タスク3つから5つに対して、欲求1つを選ばせるようにして、行動と感情のバランスを整えてあげてください。


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