2024年11月22日(金)

ドローン・ジャーナリズム

2016年9月8日

 米バード大学の調査によると、14~15年の産業用ドローンにおける農業分野が占める比率は11%。電力・エネルギー・インフラ、建設とほぼ同率だ。現在産業用ドローンの比率が最も高いのは写真・映画撮影で、全体のおよそ29%を占める。

 カリフォルニア州サンタアナに本社を置くアライド・ドローン社CEO、ジョシュア・コルノフ氏はハリウッドの製作畑出身で、撮影現場にドローンが導入されるのを見て「これからはドローンの時代だ」とドローン製作会社を立ち上げた異色の経歴を持つ。

 同社は3Dマッピングに強みを持ち、顧客からの完全受注で昨年は約50台のドローンを製作した。市場が成長していることは現場で実感でき、「今年は年末までに150~200台を販売する予定」だという。しかし同時に技術の進歩により、価格は1機あたり3万~5万ドルだったものが現在では1万~2万ドルとなり、「より多くの企業にとってドローンを導入しやすい環境が整いつつある」という。

 同社のドローンはレーザー・スキャンにより空撮画像から地表の3Dモデルを製作する。用途としては産業インスペクション、橋梁、タワーなどの建設、パワープラントの保全作業などが多い。

顧客のニーズに応じ、1機ずつデザインから始め、3Dプリンターなど最新設備を用いて手作りされるアライド・ドローン社の製品。同じものは2つとないオリジナルであることが特徴だ(写真・ALLIDDROSE)

 コルノフ氏は今後のドローン企業の生き残りとして「幅広いレンジで様々なサービスを提供できる、あるいは一つの分野に特化し他社にない技術を持つことが不可欠になる」と語る。同社は主にハードメーカーであり、ソフトウェアはサンフランシスコのエアウェーブ社のものを採用しているが、今後ドローン用運営ソフトとしては2、3社による標準化が進むだろう、と予測する。

 最後に紹介するのは、現時点ではまだドローンの用途の3%程度、とシェアは少ないものの、将来伸びる、と考えられるサーチ・アンド・レスキューを専門とするドローン・アメリカ社だ。同社はネバダ州レノに本社を置き、スキー場などのリゾート、山岳地帯にあることから捜索、山火事への対応など、主に消防署や警察署との連携でドローンを運営する。


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