2022年8月10日(水)

世界の記述

2016年10月6日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

「オバマケアは崩壊する」

 問題は、保険会社がオバマケアのマーケットプレイスから撤退することにより、残った少数の企業の寡占状態になる、という点だ。マーケットプレイスを設置して利用者がプランを選べるようにしたのは、企業の競争を強める意図もあったが、「オバマケアは金にならない」と撤退する企業が相次げば、全体の料金も上がって本来の意味が薄れる結果にもなりかねない。

 もちろんブルークロス、カイザーなどの超大手に混じり、ローカルの小さな保険会社もマーケットプレイスには参加しているが、こうした小規模の保険会社では選べる病院や医師が限られている、などのマイナス面がある。

 ヒラリー・クリントン氏が大統領になったとしても、オバマケアは見直しの必要性に迫られることになる。大手保険会社カイザーのオバマケア担当者は「あと数年は現状が維持できるが、大幅な改革がない限りオバマケアは崩壊する」と語る。

 先進国で唯一国が補償する皆保険制度がなく、企業が健康保険を管理する、という米国の特殊さを、誰が改善できるのか。健康保険制度改革チームを立ち上げたサンダース氏への期待もあるが、制度の抜本的解決は相当困難だ。

  
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