2024年7月16日(火)

使えない上司・使えない部下

2016年9月29日

 私は会社員の頃、ゲームの開発の部署にいました。現場では「あいつは使えない」と部下をけなす上司はいなかったように記憶しています。パワハラとか、いじめもなかったように思います。仕事が多くて、そんな余裕がありませんでした。大きな魚をみんなでつるようなテンションの日々です。チームワークはよかったですよ。

坂本嘉種さん

「使えない」とコミュニケーションをあきらめる

 おもしろい人が多いし、くせのある人もいます。気難しい人もいたかもしれません。仕事ができる人もいるし、できない人もいました。上司はそれぞれの部下のことをきちんと考えて、仕事を与えていたように思います。仕事ができない部下にも、相性のいい仕事をうまくまかせていましたね。管理職は、社内では強者なのですから……。少なくとも、部下よりは。ある程度の権限を与えられているのでしょう? それを生かして、何かができるはずですよ。

 私も一時期、グループのリーダーをしていました。自分のアイデアにこだわり、押し付けることはしないようにしていました。みんなで目指す結果だけは共有します。個性的な人が多かったので、そのほうがよかったと思います。

 私も上司と仕事のやり方などをめぐり、ずいぶんと話し合いをさせてもらいました。互いに言いたいことを言って、ギャーギャーとやるときもあったように思います。大切ですよ。こういう意思疎通は……。

 「使えない」と部下をけなすのは、そんなコミュニケーションをあきらめてしまった管理職なのかもしれませんね。そもそも、部下とトコトン話し合ったのでしょうか?それでも、部下ができないならば、上司としてどのあたりの指導がいけないのか、とさらに深く考えたのでしょうか……。

 たとえ、部下が使えなかったとしても、上司も会社も実際のところは、さほど困らないでしょう。管理職は「使えない」と否定するよりも、するべきことがたくさんあるような気がしますね。


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