山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2016年9月30日

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貧しきを憂えず、等しからずを憂う

 中国人の幸福度の年代別の分析は面白い結果が出ている。年代が上がれば上がるほど幸福感は増えているが、若者たちの幸福感は減少傾向になっている。60代や50代は昔の貧困時代に比べ、今の生活水準は良くなったと感じているので不平感はなさそうだ。逆に30代と40代は「大変幸福だ」という人は少ないようだ。

 日本でも同じだが今から20年前と比べると金銭的には豊かになったが50代や60代の人々のような貧困は経験していないから比較問題だが「生活がより良くなった」とは考えないのかも知れない。これには「一人っ子政策」も関係がある。

 「貧しきを憂えず、等しからずを憂う」とは論語に出てくるが、世界中どこでも絶対的な貧しさよりも相対的な不公平さが気になるのが一般的である。中国の生活水準は20年前と比べてかなり向上しているとは云うが、10%の富裕層が目立ちすぎるために格差の問題が深刻になっているのだ。

 鄧小平氏は天安門事件の後、民主化運動よりもみんながお金持ちになるべきだと言い始めた。その時に全員がすぐにお金持ちにはなれないが、一部の人々がお金持ちになり、富裕層が経済をけん引して発展させてから一般人もお金持ちになるように指導した。

 ところが、今になって振り返ってみると富裕層と貧困層の格差は益々拡大しているのが社会問題になっているのだ。

富裕層の新たな悩みとは?

 その富裕層も確かに経済的には満足はしているのだが、政府が贅沢禁止令を出して賄賂を受け取った幹部職員を逮捕して公職追放にした結果、肩身が狭くなって海外に逃亡する富裕層が増え始めている。

 習近平政権は腐敗防止のために富裕層の幹部職員を見せしめのために粛清し始めてかなりの時が経つが、今や中国企業の組織の中では幹部は何時、従業員にタレこみさせられるかビクビクしている。元々、個人主義的な国民性がさらに疑心暗鬼になっているので富裕層は別の意味で幸福感を失くしつつある。

 もともと、中国人には愛国心は少なく個人主義的で自分の家族さえが幸せなら国家はどうでも良いと考える傾向がある。上手く海外に資産フライトさせる事が出来れば良いのだがそうもいかない大半の富裕層は今や戦々恐々としているのである。

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