2024年7月16日(火)

山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2016年9月30日

格差は解消されるのか?

 それでも富裕層の比率はまだ10%とまだ多くはないので格差をなくして行けば中国の社会問題は緩和するのだろうか? 去年より今年が良くなって、来年は多分今年よりよくなるだろうと思わせる限り中国のチャイナドリームは維持できると思われる。

 一般の中国人にとって一番、幸福感を感じるのは自分の家を所有できることである。しかも資産バブルが安定すれば所有欲が満足できるのだ。若者が結婚できる条件とは持ち家が大前提である。50代の親は一人っ子に家を持たせるために働き借金をしてでも息子に嫁を持たせれば最大の幸福感に包まれるのである。

 中国社会では欧米に比べて社会福祉は整ってはいない。従って企業の中で福利厚生の名目で「チャイナドリーム」を達成させようとするのは悪いことではない。

チャイナドリームが弾けるとき

 組織の中の就労年数に応じて「自宅の取得を配慮する」のは中国の文化そのものである。組織に貢献した幹部社員が「お手盛り」で豪華マンションを手に入れても40代の社員はあと10年も経てば自分の順番が来ると信じている。

 30代の社員たちも今は給料が安くても国営企業に勤めている限りいずれは自分もチャイナドリームが待っていると信じさせる限り、社会主義自由経済は何とか維持できるとみんなが信じているのだ。そのためにも中国経済にとっては次から次へと国中にマンション建設を自転車操業でも良いから継続させることでGDPの成長率は維持できると思いこまずにはいられないのではなかろうか。

 これが中国のチャイナドリームの本質だと言い切ったら僕の老朋友からお叱りを受けるだろうか?

  
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