トランプの次の一手
礼儀正しい態度で臨み大統領らしさを演出したトランプ候補でしたが、結局不発に終わった感は否めません。討論会で同候補は2012年リビア・ベンガジで起こった米領事館襲撃事件及びクリントン財団への巨額献金者に対する便宜供与疑惑を取りあげる機会を逸しました。クリントン財団を攻撃した場合、クリントン候補がトランプ財団のフロリダ州司法長官への不正政治献金疑惑を持ち出し「ブレンド」して薄めてしまうことを警戒していたのかもしれません。
10月9日に行われる第2回目のテレビ討論会は対話集会の形式をとり、クリントン・トランプ両候補は会場の「決めかねている」有権者から質問を受けます。トランプ候補は有権者の質問を利用して、クリントン候補に容赦なく攻撃を畳み掛けてくる可能性があります。第1回目とは異なったスタイルをとってくるのです。ただ、女性である同候補を徹底的に叩きのめすと無党派層の女性票に加えて、共和党支持者の大卒のそれまでも逃げて行くリスクを負います。次の討論会で、トランプ候補には「ジェンダーの地雷」を踏まないことが求められています。
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