初瀬:初めて障害を意識したのはおいくつのときですか。
鈴木:幼稚園に上がる前に障害があるというだけで門前払いをされて、母といっしょに幼稚園めぐりをしたときです。
それが3歳ぐらいのときで、僕の一番古い思い出と言えば園長先生との面談で断られているところです。「僕は普通の子と違うんだ」ということをまざまざと見せ付けられました。
初瀬:目の前で断られたのですか、幼い子どもを前にして……。それは辛い思い出ですね。
鈴木:近所の子どもと同じことが出来ないし、入院しているか家の中にいるか、みたいな感じでその頃を過ごしていて、結局幼稚園には通うことができませんでした。
初瀬:小学校に上がる前も、受け入れに対して何か問題があったりはしませんでしたか?
鈴木:もう40年前のことですから、詳細は憶えていないのですが、母と学校に話し合いに行ったり、教育委員会に行ったりしたのは記憶の片隅に残っています。
当時は社会一般に障害児イコール養護学校に行くもんだと認識されていた時代ですから。でも母は、出来ないことは体育くらいなのに、なぜ養護学校に行かなければいけないのか理解できないという感じで引き下がらなかったんです。
初瀬:現代とは違って当時はそういう時代背景だったのでしょうね。でも、お母さんの強い希望があって普通学校に通えるようになった。
鈴木:僕が気づいていないところでも、親にはかなり苦労を掛けたと思っています。
初瀬:学校はどうされていたんですか、やはり補装具を着けて?
鈴木:家から学校まではかなり距離がありましたので、休み休みではありましたが歩いて通っていました。体育は出来ないのでレポートを書いたりしましたが、それ以外は問題なく普通にできていたはずです。
初瀬:小学校時代に周りの子たちと違うことで違和感のようなものはありましたか、いじめられていたとか、からかわれていたとか。
鈴木:それがね、逆なんですよ。僕がやっていた方だったんです。悪い奴だったんですよ、小学生の頃の僕は(笑)。いじめていた方に申し訳なくて、小学校の同窓会には未だに行けていないんです。