日本経済は09年後半になってようやく上向き、10年もプラス成長が続く見込み。PIIGSという疫病神を抱え込んだ欧州と違い、日本の近所にあるのは中国をはじめ成長著しいアジア諸国である。アジア向けの輸出の拡大が日本経済の牽引役になっている。
そうした追い風が吹いているうちに、リーマン・ショック後に落ち込んだ経済をどう立て直すのかの戦略を打ち出さないといけない。
菅副総理・財務相は3月から消費税引き上げの議論を始めると述べたが、成長戦略なき増税は企業や家計の期待成長率を押し下げるばかりだろう。亀井金融・郵政担当相は郵便貯金の預入限度額を1人当たり1000万円から3000万円に引き上げる方向だが、マネーは郵貯を通じて国債に流れるばかりだろう。
このままでは、低成長とデフレ、財政赤字が織り成す経済とマネーの火消し壺から、ニッポンは脱却できそうにない。
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