2024年4月24日(水)

使えない上司・使えない部下

2016年11月23日

上司と部下は、過度に依存しないことが大切

 自分にとって「使えない部下」もいました。30代後半の女性で、結婚し、子どももいました。いくつかの部署で「使えない」とレッテルをはられ、私がマネージャをしていた部署に異動してきたのです。それまでの上司たちの評価どおりで、たしかに、仕事はできない。ネガティブの塊となっていて、あらゆるものを否定します。前の部署のときに、あまりにも評価が低いので、基本給を下げたようなのですが、仕事への姿勢は変わりません。

 むしろ、「自分は間違っていない。私の勝手でしょう?」と開き直ります。ふてぶてしいほどで、やりたい放題になります。それまでの上司がさじを投げ、追い出しをした理由がわかる気がしました。

 入社15年ほどになっていて、定着率の悪いあの会社では古株になっています。役員や本部長とも、ある程度、親しいのです。管理職はそのことを警戒し、女性に厳しく言いません。だからますます、やりたい放題。せいぜい、水面下で人事部に報告をして、他部署への異動を願うのみです。

 今は、新たな男性が女性の上司になっています。女性は40代前半になっていて、上司は30代半ば。やはり、「使えない」とみているようです。だけど、役員や本部長が女性を辞めさせない。結局、誰も何もいえない。こんな様子を観察している20~30代で、意識の高い人が失望し、辞めていくのです。

 管理職は部下を使えるようにするべきですが、それができない場合もあります。「使えない部下」は、必ずいます。こんな人を「使える部下」にしようとするのは、短い会社員人生で無駄な時間となります。深く関わらないほうが、双方にメリットがあるのです。その部下も「成長したい」なんて思っていないのでしょうから。
 
 上司と部下は、過度に依存しないことが大切です。互いに期待はしないほうがいい。そのためには、自分を持つこと。何のためにこの会社にいて、なぜ、このような仕事をするのか、今後、どうしていきたいのか…。こういう考えが明確ならば、振り回されないようになるんじゃないでしょうか。「使える上司」「使える部下」がいるならば、最大限使ったほうがいいでしょう。

 しょせん、上司や部下というのは、役割でしかありません。互いに、その役割を演じていると思えば、それほどに嫌なものでもないと思いますね。

  
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