2024年12月28日(土)

佐藤悦子 バランス・マネジメント

2010年3月30日

 ウェッジ・インフィニティ読者のみなさま、こんにちは。

 今週はいよいよ最終回になりました。先週は、私が3回の転職で学んだことについてでしたが、今回は最先端の素粒子物理学の世界で出逢った未来への夢や希望についてお話しさせていただきたいと思います。

好きなことを信じて突き進む

“BEYOND” must be beautiful.

CERNで研究を続ける理学博士の石野雅也さん(左端)と鳥居寛之さん(右から2番目)

 これは、物理学者で高エネルギー加速器研究機構准教授の石野雅也さんに教えていただいた言葉です。石野さんとお目にかかったのは昨年の夏に、ベストセラー『天使と悪魔』の舞台にもなった、世界最先端の素粒子物理学研究所、スイス・ジュネーブの「セルン」(欧州合同原子核研究機関)を訪れた時でした。

 私が『ダヴィンチ・コード』をはじめダン・ブラウン氏の小説の大ファンであることを知っていた友人が、それなら『天使と悪魔』の舞台である「セルン」で研究をしている石野さんを訪ねて、その施設を見学させてもらってはどうかと、夏休みに南仏旅行をする際に石野さんを紹介してくれたのでした。

 訪問前は、物理学の世界をどこまで自分が理解できるのか自信がありませんでした。ただ「あの小説に登場した、地下100mに存在する、周回27km(なんと山手線一周分!)実験用ビーム管の中で、光の速度で回転させた陽子と陽子をいくつかのポイントで衝突させて素粒子を作ることによって、ビッグバンの時に何が起こったか、そして宇宙はこの先どうなるのかを研究している「LHC」という加速器をこの目で見たい!」という想いが強かったのです。

わからないこと、見えていないことがたくさんある

 けれども実際にセルンの各施設を見学しながらの石野さんが言葉を尽くして説明してくださったお話は「宇宙は本来11次元が現在の定説である」ということをはじめとして、聞けば聞くほど衝撃的で興味がさらに興味を、疑問がまた新しい疑問を呼ぶような驚きの事実の連続だったのです。


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