石油輸出国機構(OPEC)は11月30日、第171回総会で17年1月からの全体生産量を現在より1日当たり120万バレル引き下げ、3250万バレルとすることで合意した。
OPECはこれにより依然過剰な世界の石油在庫が徐々に解消され、油価が40~50ドルの水準から50~60ドルへと反転上昇することを期待している。今回の合意のポイントは、過去2年にわたり米シェールオイル潰しを企図し、価格を犠牲にしても市場シェアを重視してきたサウジアラビアが、油価の引き上げを目指す戦略へ転換を図ったことだ。
サウジの方針変更については、巨額の財政赤字の重みに耐えかねたためであるとか、あるいは18年の国営石油企業アラムコの新規株式上場(IPO)を控え保有石油埋蔵量の評価額を引き上げるためとの説明がなされている。