コラムの時代の愛−辺境の声−

2017年1月1日

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 「かつての革命のような暴力はもうない。それでも、打ち破る時は来る。私たちは関連する出来事の積み重ねを経てより成熟する。そして、突然の爆破のように扉は開くが、その渦中にいる私たち自身もそのプロセスがわからない」

 アンゲロプロスは、政治家なり何なり、誰か独裁的な人物がことを起こすとは考えていなかった。むしろ、「扉」を破る主体は不満を抱えた大多数の人々、民衆、社会の方だと。

 「思うんだが、いつか地中海諸国が『扉』を奥へと押し始める最初の地になる気がする。私は楽観主義でも悲観主義者でもない。ただ言えるのは、『扉』は開くということだけだ。受け入れられる方法で。問題は経済というものさしが、政治も倫理も美学もすべてのことを決めてしまう時代に私たちが生きていることだ。そこから解放されなくてはならない。『扉』を開こう。それが唯一の解決策だ。今の世代で始め、次の世代へと。経済取引が第一の原則ではなく、人間同士の関わりこそがすべての基本となるような世界を、私たちは想像できるだろうか」

 彼は遺言のようにそう語ると、半年後に亡くなった。その2012年当時、私は彼の言葉を、当時暮らしていたイタリアのあらゆる人々にぶつけてみた。解を得ようと試みたのだ。

充満する閉塞感

 それからまる4年が過ぎ、アンゲロプロスの言葉はより普遍性を帯び始めている。

 国民投票で欧州連合からの離脱を選んだ英国人。社会主義的な政策を導入し格差解消を唱えたサンダース氏が躍進した米国。そこで最終的にトランプ氏が選ばれたのは、既成政治家たちには決して「閉塞感」を打破できないーーと考える人が少なからずいたからだ。

 トランプ氏という個人に注目が集まるが、大事なのは、彼を押し上げる要素、つまり何が何でも「扉」を開き、閉塞感を打破してほしいという声が社会に充満していることだ。イタリアの国民投票で首相が辞任に追い込まれたのも、議題だった憲法改正に反対したというより、既成政治家には任せられないという国民のいらだちからだった。

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