2022年10月1日(土)

コラムの時代の愛−辺境の声−

2017年1月1日

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藤原章生 (ふじわら・あきお)

記者・作家

記者・作家。北海道大学工学部卒。1989年より毎日新聞記者。ヨハネスブルク、メキシコ市、ローマなどに駐在。2005年、『絵はがきにされた少年』(集英社)で開高健ノンフィクション賞受賞。近著に『ぶらっとヒマラヤ』(毎日新聞出版)。
 

 

失望の果てに何を求めるのか?

 だが、例えば、トランプ氏が何か奇策を打ち出し「扉」を開くかといえば、それはない。イタリアの住民運動でのし上がった人物、ベッペ・グリッロ氏にしても、公約の格差解消など無理な話だろう。

 彼らには荷が重い。それがはっきりするまで、彼らは「既成政治家が悪い」「抵抗勢力のせいだ」と責任転嫁をして時間稼ぎをするだろうが、不満を抱えた層はいずれ、彼らは何もできないと気づく。

 その後、どうなるのか。

 壊し屋、あるいは祭りの始まりを賑わすだけのピエロ的な彼らではらちが明かないとわかったとき、閉塞感にあえぐ国民たちの矛先はどこへ向かうのか。

 2017年、私が最も注目しているのは、ピエロの言動や行動ではない。それを押し上げた層がいつ失望し、その果てに何を求め始めるかだ。そのとき、アンゲロプロスの言う「扉」の向こう側が、ほんの少し見える気がする。

  
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