混迷が続く、中東のヨーロッパ
年越しの晩にトルコのイスタンブールで銃の乱射事件が起きた。このところ、トルコの治安情勢が急速に悪化してきている。かつてトルコは中東でも屈指の治安の良さで知られ、それが多くの観光客を呼び込むことにもつながっていた。エルドアン政権のもとで隣国シリアの内戦への介入を続けた結果が、一連のテロだ。トルコの治安情勢の悪化は、中東の先行きに暗い影を投げかけているように思える。
さらに、今年はEUで重要選挙が目白押しだ。3月にオランダ総選挙、4月から5月にかけてはフランス大統領選、9月にはドイツで総選挙だ。オランダやフランスでは極右勢力のいっそうの台頭が懸念され、ドイツではEUの守護神となってきたメルケル首相の与党の敗北があり得る状況となっている。極右勢力の台頭は、イギリスに続いてEU離脱の動きにつながる恐れもある。そうなれば、世界経済への影響は必至。世界同時株安の引き金になることも考えられる。
新年早々、暗い話ばかりで恐縮だが、どこかに明るい兆しはないものだろうか。
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