「そうしたら、やたらとトゲトゲした菅直人氏とか、堅物なうえにも堅物な岡田さん、腐敗と暗黒の旧弊タイプ小沢氏とか〔very prickly Naoto Kan, the very stiff and stubborn Okada and/or the rather corrupt and thuggish old-style politico Ozawa〕、そういう人を相手にしないといけなくなる。その時になったら、loopyな総理大臣の時代を懐かしむんじゃないかな。鳩山さんはよく考えを練らないうちに同盟関係を変えたいと夢見はしたけど、少なくとも同盟に反対ではなかったわけだから」。
と、そんな言い方なのである。
次は菅氏、9月まで伸びたら岡田氏も?
それにしてもオバマ政権は、基地紛争をフェンスの中に囲い込んで終結に持ち込むことのほか、今後に何を期待しているのだろうか。
まずは鳩山氏に関してだが、普天間問題があろうがなかろうが、いずれにせよ首相としてこの先長くはあるまいと思われている。高速道路無料化をめぐるゴタゴタはワシントンでもメディアの関心を惹いているけれど、これが典型的なように、閣内にはそれぞれ違ったことを言う人がいるし、民主党の失態はひとつやふたつに留まらないからだ。
すると次には、菅氏になるのだろうと見るのが大方のところ。トゲトゲしている、というのは英語ではpricklyで、難しいお姑さんについて夫が使ったりする形容詞である。しかし菅蔵相は、歓迎すべからざる御仁とまで思われてはいない。
鳩山氏がそれでも頑張り、参院選挙も民主党の敗北にまでは至らなかったという場合、9月の党大会まで代表・総理の交代はないかもしれない。そこまで行けば、岡田外相が首相になる芽が出てくると言う人もいる。もちろん当て推量の域を出るものではないが。
このシナリオは、もし実現したら率直に言ってワシントンの希望が充足されるようなものだ。普天間のゴタゴタが始まった昨年11月この方、ワシントンの岡田評とは「基本的にわれわれの土俵にいる人、問題がわかっているし、一緒にやっていける人物」というものだったからである。
あるいはそうなのかもしれないが、岡田氏には支持する派閥がなかったのではあるまいか。それならどうやって党と政府を束ねていくだろう。岡田氏の器のほどが試されている。ワシントンがしきりに案じる点でもある。
オバマ政権某高官は語った
けれどもたとえ誰にせよ、総理は生まれるし、日本政府は存続し、これと米国は一緒に働き、できればうまくやっていかなくてはならない。だとしたら、これから引用する発言に読者の皆さんは耳を傾けておいて無駄にならないと期待したい。発言は米側の希望、期待に関するもので、その主は、聞けば「ああ、あの人」と皆さんが言うオバマ政権現役バリバリの高官である。発言どおりに再現はできないが、この人が強調したところはそのまま生かしたつもりだ。