世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2017年2月1日

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 上記社説は全くの正論です。恐らく中国軍部が外交部にTHAAD配備を止めさせるよう厳命し、外交部が必死でやっているのでしょう。残念ながら国際社会のルールと作法を無視する懲りない中国を見る思いがします。そのようなやり方が最終的に中国の利益にならないとの指摘もその通りです。

韓国の閉そく感、自信喪失感

 2016年7月の米THAAD配備決定以降、中国は徐々に対韓圧力を強めています。中国は先ず韓流活動を制限し、その後年末には中国人の韓国観光渡航を制限し、韓国製品や企業を狙い撃ちしたアンチ・ダンピングやセーフガード調査などを強め、韓国企業人へのビザ発給を厳格すること等によって貿易にブレーキをかけてきています。韓国メディアはこれらの措置に対し悲鳴を上げています。韓国の世論は中国に厳しくなっています。そして、年末には、この論評が言う通り陳海中国外務省アジア局副局長が訪韓を強行し、サムソンなど韓国財界に公然と働きかけを行い、また、韓国野党関係者と会いました。このような対中関係は政治介入スキャンダルや経済の低迷と相俟って、今の韓国の閉そく感、自信喪失感になっています。最近の韓国メディアには自己批判の強い論評が多くみられます。

 韓国自身が確固としていることが一番大事だと思われます。韓国の政治外交の早期の安定を期待したいです。朴槿恵が対中関係を謳歌し、数少ない外国要人の一人としてカリモフやシシ、潘基文等と共に天安門の鐘楼の上に習近平と並んで立っていたのはたった一年半前のことです。米韓関係を強固にし、対日関係も合意事項は確実に実施する等が重要です。

 1月20日にトランプ新政権が発足します。中国の手法を見ると、トランプの手法と共通点があるように思われます。行動の原則は存在せず、とにかく個別事案に注目し、脅かしであろうと二者間の取り引きであろうと問題が自己の利益になるように解決すればよい、そのために力任せに動くという手法です。キャリア、フォードなど米企業は続いてメキシコ進出計画の中止に追い込まれています。1月5日にはトヨタのメキシコ工場新設についてトランプは自分のツイッターに「ありえない!高い関税を払え」と投稿したといいます。世界は今年から数年は大変荒い時代に入る可能性があります。その間、米国との緊密な関係、協議を維持しつつ、有志の国々の間で国際秩序を守り、国際機関を守っていくことが益々重要となります。日本の役割も重要です。

  
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