定年バックパッカー海外放浪記

2017年2月26日

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高野凌 (たかの りょう)

定年バックパッカー

1953年、横浜生まれ。神奈川県出身。大学卒業後は商社、メーカー勤務を経て2013年定年退職。2014年春から海外放浪生活を始める。放浪歴は地中海、韓国、インドシナ半島、インドネシア、サンチアゴ巡礼など。サラリーマン時代は主として海外業務に従事。ニューヨーク、テヘラン、北京にて海外駐在を経験。身長170センチ、57キロ。獅子座。A型。現在2人のご子息は独立し、夫人との2人暮らし。孫1人。

中国人は野次馬が大好き

 散策のあと古い仏教遺跡群まで乗合タクシーで移動。交通事故があったらしく田舎道が渋滞していた。ドライバー情報で交通事故らしいと判明すると事故現場を見逃さないようにカメラを準備して真剣モード。やっと大型トラックと観光バスの衝突現場を通過すると全員歓声を上げて興奮しながら写真に収めている。

 現場を通り過ぎても事故の話で盛り上がっている。中国では事故現場を通過する車両の“よそ見運転”による二重事故が多発しているが国民性によるものであろう。昔から中国人は野次馬が大好きであると言われている。野次馬は中国語で看熱閙(カン・ルーナオ)というが、火事、事故、事件があると興奮した民衆が我勝ちに現場に殺到して周りを囲んで野次を飛ばして騒ぎながら大喜びで見物するのである。

伝統芸能の操り人形、坊さんの表情が妙にリアル

 古代ローマにおいては皇帝などの権力者はスペクタクルな娯楽を提供して民衆の支持を得ていたという。コロッセウムで剣闘士と猛獣を戦わせたり、大競技場で戦車競走を開催したりといわゆる『パンとサーカス』で民衆の歓心を買ったのである。

 中国の為政者が不正腐敗を理由に高位高官の人間を逮捕しては人民裁判のようなかたちで大衆に公開するのは古代ローマ皇帝と同様の意図であろう。

中国人は値切るのが大好き

 大河の近くで乗合タクシーを降りて渡し船で古い仏教寺院遺跡群が点在する村に到着。村全体が遺跡公園のようになっているようだ。遺跡公園はかなり広く観光客は馬車をチャーターすることになっている。一台の馬車に御者が一人と客が数人乗れる。

客待ちする牛車タクシー(中国人観光客は写真を撮るだけで乗らないので御者はご機嫌斜め)

 公園入口の管理事務所に馬車の公定料金が掲示されている。日本円で一台2000円くらいである。四人で乗れば一人500円となる。この掲示を見て6人は鳩首合議。なかなか結論が出ない。延々と大声で協議している。

 後で聞くと論点は、①中国の観光地の馬車と比較して高過ぎる、②昼下がりで他に観光客がいないから割り引くべきである、③公園全体がさして広くないので徒歩で廻ることを取引材料にして値引き交渉すべきである、④客待ちをしている馬車が20台以上も並んでおり我々は2台チャーターするのであるから値引きは当然である……。

狭い乗合タクシー車内で中高年男女7人が和気あいあいと。中国人ってちょっと距離感が近すぎる。

 中国では商品・サービスなんでもお金を払うものについては“値切る”という観念があるのでミャンマーの田舎の村の公定料金なんて“値切るべし”という発想なのであろう。片言の英語を話す趙さんが数人の御者を相手に交渉を開始。趙さんの周囲には残りの5人が応援団として構えている。

 10分くらいして欧米系団体が20人くらい到着したので中国御一行様はあえなく交渉断念。我々は二台の馬車に分乗して遺跡巡りをしたが、馬車でも3時間近くかかりとても歩ける距離ではなかった。

御者の隣に座って遺跡群を見物、後部座席では中国人3人が遺跡そっちのけ

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