(2015.11.27-12.26 30日間 総費用12万円〈航空券含む〉)
南京事件を無辜の市民30万人を虐殺した東洋のホローコーストとして、一方的に中国が申請したユネスコの世界記憶遺産の審査プロセスにつき、日本政府が疑義を提起して本稿執筆時点(16年11月15日現在)ではユネスコ分担金支払いを停止しているが遅きに失した感がある。日本政府が一丸となってこうした極端なプロバガンダに対抗しなければ、グローバル化した情報戦争のなかでの現代の外交は成り立たない。
本連載では中国、韓国の歴史認識に関して何度か私見を述べさせていただいているが、他の国に関しても日本政府の対外発信活動を切に期待する事例に遭遇しているので問題提起したい。
オランダ人は知らない、
江戸時代、日本の対外貿易をオランダが独占していたことを
オランダに対して日本人は概して親オランダ的であろう。チューリップ、風車、チーズなどのイメージ。また日本の皇室とも親密な交流がある開かれた王室。そして江戸時代の長崎出島での日蘭交易。
2015年春、インドネシアに2か月旅行したとき旧宗主国という関係からか多くのオランダの若者に出会ったので、江戸時代の両国関係について知っているか聞いたが誰も知らなかった。少なくとも20人以上に聞いたのだが。
ミャンマーの古都マンダレーで寺院の木陰で休憩していたとき、一緒になったオランダ人学生カップルに【江戸時代の鎖国体制においてオランダと清国だけが日本との独占貿易を徳川幕府から許可されていたことをオランダ人は誰も知らない】という事実を再確認した。彼らはオランダの学生のなかでもトップエリートだ。歴史についてもかなりの知識があるが、江戸時代の日蘭の特別な貿易関係については何も知らなかった。