2024年4月27日(土)

古希バックパッカー海外放浪記

2017年1月29日

「シンドラー」は知っているけど、「スギハラ」は全く知らない

葦の繊維の糸で布を織る『首長族』のお婆さん

 私はイスラエルの若者に話のきっかけとして「チウネ・スギハラを知っているか。第二次世界大戦中の日本の外交官だよ」と聞いた。相手がよくわからないようなので、「日本政府の命令に反して、欧州からリトアニアに逃げてきたユダヤ人にビザを発給して、6000人以上のユダヤ人を救った外交官だ。日本のシンドラーと呼ばれている。イスラエル政府から何度もメダルを授与されている」と、補足説明したが全く無反応であった。唯一「ドイツ人のシンドラーがユダヤ人を救ったことは知っている」とのコメント。

 この同じやり取りを何度繰り返したことだろうか。30人以上のユダヤの若者に聞いたが、同じやり取りの繰り返しであった。シンドラーは誰でも知っているが、“チウネ・スギハラ”をイスラエルの若者は誰も知らないのである。

英雄“チウネ・スギハラ”を
なぜ政府は積極的に発信しないのか

 日中戦争から第二次世界大戦の期間において、日本が世界に誇れる人道的活躍をしたと世界が認める英雄は数少ないが、杉原千畝は正にその一人であろう。こともあろうか、当のイスラエルの若者が全く知らないというのは悲しく遺憾である。

 ことあるごとに旧日本軍の野蛮・残虐を国際社会に強烈にアピールしている中国・韓国に対抗するためにも、ユダヤ人を救った英雄を日本政府は強力に対外発信するべきではないか。そのためにも、まずはイスラエル政府に対して杉原千畝の偉業を、イスラエルの学校教育で取り上げるように働きかけるべきではないか。いつかイスラエルの教科書に、杉原千畝の偉業が記載されることを期待したい。

⇒第4回に続く

夜明けのインレー湖で伝統網漁する漁師

  
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