今こそ未来志向の両国関係を目指すべきでは
昭和天皇訪欧から既に45年経過している。日本の皇室とオランダ皇室が親密な友好関係を確立している今日において、徳川時代の200年以上にわたる独占貿易の歴史的事実を日蘭双方の歴史家や専門家が重要性を確認して、オランダ社会にアピールしてゆくことができないか。その結果としてオランダの教科書に日蘭貿易が記載されればオランダ人の親日感情が幅広く醸成されるであろう。そうした活動のイニシアティブを是非とも在オランダ日本国大使に期待したい。
中学生以上の日本人なら誰でも知っている史実を、相手国の青年が一人も知らないというのは余りにも非対称である。アムステルダムの国立博物館には長崎出島の模型やシーボルトのコーナーなど江戸時代の両国関係について詳細な展示があるが、大半の入場者は足早に通り過ぎるだけである。歴史教科書に掲載されなければ重要な史実も、一部の好事家だけの知識で終わってしまう。
インドを闊歩するイスラエルの若者たち
2016年6月から3か月間、北インドを歩いた。デリー、シムラー、スピーティー渓谷、マナリー、ラダックなど行く先々でイスラエルの若者の群れに遭遇。不思議なことに人口800万人程度のイスラエルの若者が、インド国内を旅行している外国旅行者のなかで圧倒的最大多数となっている。
理由は兵役を終えた若者が、第一に目指すのがインドだからである。聞けば兵役は男子が高校卒業後3年間、女子が2年間である。兵役終了時にボーナスが出るので、これを原資に世界一周旅行に出かける若者が大半という。インドを目指す理由は、第一に自然が豊かである(イスラエルは砂漠に囲まれている)、第二に生活リズムがまったりしている、第三にマリファナが自由に吸えるということらしい。