米海軍大学の予測によれば、2030年までに中国海軍は、規模と能力で米国海軍を劇的に上回ることになります。これは、米国が海軍の「戦略構成評価」の提案通り海軍力を増強したとしてもそうなるということです。筆者が米国の戦艦建造拡大計画を一層推進する必要があると警告する所以です。
世界的に海軍力を投影しようとする中国
米海軍大学の予測は、中国が単に南シナ海の制海権を樹立しようとするのみならず、より広く世界的に海軍力を投影しようとしていると見ています。おそらく中国の長期的ビジョンはそうなのでしょう。
それが可能かどうかは、中国が長期的に国防費を増額できるかどうかと、中国政府の優先度の置き方にかかっています。中国の軍事力の強化を最優先する考え方は、経済・財政的制約がよほど大きくならない限り、基本的に変わらないのではないかと思われます。
トランプは選挙戦中、米陸軍、海兵隊の規模の増大、海軍の艦船の350隻への増加を中心とする軍事政策を発表しています。しっかりした戦略に基づく発表とは思えませんが、方向としては軍備増強を志向しています。トランプ政権が、中国の長期的海軍増強計画を見据えて、中国の挑戦に対抗できるような海軍増強計画を検討することが望まれます。
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