元米海軍大佐のジェイムス・ファネルと米海軍作戦部長スタッフのスコット・チェイニー=ピータースが、1月19日付ウォール・ストリート・ジャーナル紙掲載の論説において、中国は今後も海軍を大幅に増強するものとみられ、米国はそれに対抗するため、思い切った海軍増強策を講じるべきである、と述べています。要旨、次の通り。
現行の米海軍艦船建造30年計画では、艦船数を現在の「展開可能な戦艦」273隻から308隻に増加するとしているが、11月トランプの側近は目標を350隻とすべきであると提言した。これは海軍自身の「戦力構成評価」の提案と軌を一にしている。
これらは中国海軍がインド・アジア・太平洋で、対等の競争者として登場していることを認めるものであるが、中国の今後の拡張を十分考慮していない。米海軍大学の分析によれば、中国海軍は2030年までに430隻以上の主要海上艦と約100隻の潜水艦を有すると予測される。そうなると、今後15年で中国の海軍は、規模と能力で米国海軍を劇的に上回ることとなる。
中国海軍はこれまで毛沢東時代の旧式の艦船と潜水艦を廃船し、近代的なもので置き換えてきたが、それが終わり、最新の艦船と潜水艦の製造に全力を挙げている。中国の海軍は、空母攻撃艦隊、潜水艦発射弾道ミサイル、艦隊のネットワークにより、世界的プレゼンスを享受するであろう。
世界秩序に対する中国の海軍力による挑戦に対抗するため、米海軍がより多くの艦船、より信頼できる抑止能力を必要としているのは明らかである。戦艦建造拡大計画についてのトランプ政権の提案を超党派で支持することが、世界における米国の国益を守るために重要である。
出典:James E. Fanell & Scott Cheney-Peters,‘Defending Against a Chinese Navy of 500 Ships’(Wall Street Journal, January 19, 2017)
http://www.wsj.com/articles/defending-against-a-chinese-navy-of-500-ships-1484848417