2024年11月24日(日)

古希バックパッカー海外放浪記

2017年5月28日

グランドキャニオンでタイタニック・ポーズをするカップルの自己責任

 5月3日(水)。グランドキャニオンを延々と歩く。ご存知のように切り立った断崖に囲まれたテーブルマウンテンのあちこちの崖っぷちに展望台が設けられている。そしてロープで仕切ってある先は国立公園当局が設置した“立ち入り禁止”の表示がある。

グランドキャニオンの断崖。こうした崖っぷちで能天気な若者が記念写真を撮っている。

 ところが、無数の若者がこのロープを乗り越えて絶壁の上でポーズをとりそれを仲間が写真に収めている。映画タイタニックのワンシーンを真似て断崖の上でポーズしているカップルもいる。仲間同士でいかに危険な場所で大胆なポーズをとるか張り合っているので見ているほうもハラハラする。

グランドキャニオンをハイキングしている犬を連れた若いカップル。

 立ち入り禁止のサインの近くの木陰に小さなボードがあり細かい字で注意事項が書いてあった。要約すると「立入禁止のサインの向こうは岩盤が脆く崩落の危険あり。当公園内では毎年転落事故が発生している。立入禁止区域で事故に遭遇した場合には当局は一切の責任を負わない。」と免責条項が明記してあった。何かあっても自己責任(on your own responsibility)であると念を押している。

テキサス州オーダム郡の保安官のパトカー。オーダム郡は人口わずか2000人。保安官(シェリフ)は選挙で選ばれている。パトカーは日本車ではなくやはりクライスラー傘下のダッジであった

 しばらく歩いているとビニールでカバーされた手作りの張り紙を見つけた。顔写真がついており一年前に転落して行方不明となった女学生であった。両親による捜索依頼だった。やはり毎年転落者が発生しているという注意書きは事実であったのだ。


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