4月11日の試合で、「巨人は走者が出ると守備が乱れる。ミスとスキを突けば勝てる」という意識が広島ナインに浸透していることが明らかとなった。観戦している私以上に、巨人ナインは広島にしてやられたことを痛感しただろう。そうであれば、同じような状況を迎えた5月26日、巨人ナインは「この前とは違うぞ」という鉄壁の守備を広島ナインに見せなければならなかった。だが、結果はまた同じようなミスの連鎖で大敗だ。
「ジャイアンツのみなさん、最後まで本気で頑張ってください!」
もっと言うなら、この2試合、見逃せないのはいずれも主砲兼チームリーダー・阿部のミスがからんでいるという事実だ。阿部は正捕手を務めていた昨年まで、守備が雑になることが増えており、とくにファウルフライを追う際、マスクを取らない悪癖をチーム内で批判されていた。原辰徳監督時代は「そんなことではいけないぞ」と川相昌弘ヘッドコーチ(現三軍監督)が懇々と諭したこともあったそうだが、広島戦の一連のミスを見る限り、一塁手にコンバートされてからも守備に対する意識が上がったとは考えられない。
26日から一夜明けた27日、巨人-広島戦の最中、オーロラビジョンに写った男の子の巨人ファンが、巨人へのメッセージを求められて言った――「ジャイアンツのみなさん、最後まで本気で頑張ってください!」
その直後、スタンドで失笑が巻き起こり、試合は0-9でまた負けた。子供にも「本気で」戦っているように見えない現状を、巨人ナインはきちんと認識するべきだ。
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