2024年11月22日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2017年7月14日

 メイは何事もなかったかの如く交渉に臨むのでしょう。しかし、保守党がメイを党首として次の選挙に臨むことはあり得ませんし、何時まで首相の座にあり続けられるかを疑問視する見方が支配的です。そういう状況では、EUとの関係というよりも、国内の多様な意見に目配りをし、必要な妥協をしてEUとの妥当な合意に導くための国内の合意形成との関係でメイの立場は苦しいです。EUとの交渉結果について議会の支持が得られる保証もありません。この論説は、時には混乱の中にも救いがあるといいますが、この混乱はハードなBrexitどころか、「崖から転落するBrexit」に一歩近付くものかも知れません。

 メイにとって唯一の朗報は、スコットランド民族党が56から35に大きく議席を減らし、独立を問う2回目の住民投票が遠のいたことです。Brexitに係る頭痛の種が1つ減りました。

  
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