2024年4月16日(火)

前向きに読み解く経済の裏側

2017年9月25日

夫が親や子に払った金は妻に渡り、夫への貸出に使われる

 妻は、家事労働の対価を要求します。それが相当高いので、夫の公共投資等々の支出の多くは、妻の手に渡ります。親や子からも、家事を担当していることの対価をもらうので、ますます妻は潤います。一方で妻は倹約家なので、収入はあってもあまり消費はせず、残りを夫に貸し出します。夫が借りない分は、銀行に貯金します。

 子は、小遣いをもらいますが、倹約家なので、あまり使いません。妻に家事の対価を支払い、残りは夫に貸すか、銀行に貯金します。

 夫は、稼いだ給料以上に金を使っているので、赤字です。その分は親や妻や子から借りています。借金の残高は膨大で、元利払い額も巨額です。

 妻は、家事一切を担当し、夫や親や子から対価を得ていますが、電気ガス水道は全額夫が負担しているので、妻は家事労働の対価として得た収入を夫に貸しています。夫は、妻などからの借金に対し、元利払いを行なっています。

 上記をよく見ると容易に理解できるように、給料として外部から得てきた金は、家庭内で動き回っているだけで、外部にはあまり出ていっていません。せいぜい電気ガス水道代と、家族の趣味の費用(皆が倹約するので、少額)くらいです。

親や子の小遣いを減らしても、家計は豊かにならない

 夫は、親や子に小遣いをやりすぎているのかもしれません。妻に家事担当の対価を払い過ぎているのかもしれません。人気取りのためだとすれば、やめましょう。というわけで、ある時「借金が嫌だから、親と子の小遣いを半分にする」と宣言したとします。

 親と子は妻に「家事は半分で良いから謝礼も半分にしてくれ」と言うでしょう。妻がそれを飲めば、妻の収入が減りますから、妻が夫に貸し出せる金額が減ります。夫としては、「借りる必要のある金額」と「借りることができる金額」が同時に減るだけなので、家計は何も変わりません。

 もっとも、妻が仕事と収入を半分失い、親と子が手抜きの料理で我慢させられることになる分だけ、家族の生活水準は落ちます。場合によっては、親と子の栄養失調を気にして夫が親と子に御馳走してあげる必要が生じるかもしれませんね。そうなると、その分だけ家計が悪化する可能性さえ、あるわけです。

 これは、夫にとっては由々しき事態です。夫にとっては、自分が破産しないことと同じくらい、妻や親や子の生活を守ることが重要で、家族を犠牲にして自分の財布を豊かにすることが重要なわけではないのです。

 強いていえば、親も妻も子も貧しくなるので、家の外で使う金が一層減るかもしれません。その分は家計が改善されるでしょう。もっとも、もともと家の外での出費が収入に占める割合は大きくありませんから、これは無視しても良いでしょう。


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