2026年7月23日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年7月23日

 7月1日付けフィナンシャル・タイムズ紙は「史上初の航空機衝突と北京の安全認識」との解説記事を掲げ、6月26日北京中心部で発生した軽飛行機の最高層ビルへの衝突を解説している。概要は次の通り。

2026年6月26日、中国・北京にある「チャイナ・ズン」としても知られるCITICタワーに小型機が衝突(ロイター/アフロ)

 CITIC(中国中信集団:金融、資源、不動産など多岐にわたる事業を展開する中国最大級の国有コングロマリット)の社員は、軽飛行機の本社衝突後、会社首脳部から誰にも話すなと言われたそうだ。北京で近年最も目立つ安全侵害は、隠蔽された。

 しかしこの衝突は、首都の安全確保責任者に不都合で失職に繋がり得る疑問を投げかける。米クレアモント・マッケナ大学のミンシン・ペイによれば、この事件は安全の重大欠陥の結果であり、誰かが辞めなければならない。

 北京郊外の飛行学校を離陸した軽飛行機は、共産党首脳居住区の中南海から7キロメートル(km)以内を飛行した。事故は、7月1日の共産党設立105周年記念式典数日前に発生した。

 共産党は、2027年10月の共産党大会を準備中で、この事故の責任を誰が取るかは、指導部人事の駆け引きを一層深刻化する。当局は13人の負傷を公表したが、死亡した操縦士の身元や、事故か意図的行為かは未発表だ。

 衝突した350キログラム(kg)の飛行機は、国家安全保障上は些細な脅威だが、北京の規制は世界一厳しい。多数のカメラが監視し、全旅行者は身分証明書を検査され、中心部は私服警官だらけだ。

 首都圏の商用飛行は規制されており、旅客便は一定高度以上でのみ飛行可能で、ドローンは禁止。航空当局は第二環状線内より少し広い「禁止空域」の飛行を厳しく制限している。元操縦士によれば、この空域入域は即警報を発動させ空軍対応もあり得る。


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