2026年7月22日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年7月22日

 元米国家安全保障局(NSA)上級部長のトーマス・ライトが、2026年7月1日付フォーリン・アフェアーズで、中露イラン北朝鮮4カ国の協力関係は、第二次世界大戦時の枢軸国以上に深く、今日における最も深刻な軍事的統合であると警告している。

(Ruma Aktar/gettyimages)

 中国、イラン、北朝鮮、ロシアの4カ国は、正式な同盟関係にはないが、互いに連携・支援を強め、その動きは米国とその同盟国に挑戦を突きつけている。米情報機関による26年の「年次脅威評価」は、これらの関係は「限定的かつ主に二国間」としている。しかし、正式な同盟が存在しないからといって、協力関係が脆弱であるわけではない。

 むしろ、二国間主義こそが、その連携を効果的なものにしているかもしれない。米国が直面する課題は、軍事、技術、政治面での協力関係が、公式な同盟に匹敵する、あるいはそれを凌駕する戦略的効果を生み出し得るかという点にある。

 これら4カ国による実質的な協力の主なきっかけは22年のロシアによるウクライナ全面侵攻だった。侵攻後、ロシアは厳しい制裁を科され、さらに外部からの軍事支援を必要とした。

 北朝鮮は23年までにはロシアにとって戦時における最重要供給国の一つとなり、24年にはロシアと相互防衛条約を締結し、ロシアの軍事作戦を支援するため1万2000人以上の兵力を派遣した。イランも同様に多数の「自爆ドローン」をロシアに供給し、その後は共同防衛生産へと発展している。

 中国の支援はロシアの戦争遂行にとって不可欠なものとなり、経済的関与も含め、相互運用性の向上や共同哨戒・海上演習の拡大等、より深い軍事協力となっている。25年7月、両国は秘密軍事訓練協定を締結した。ロシアもまた、技術的・軍事的な支援をパートナー国に提供し、これら3カ国において大量破壊兵器等の高度な兵器開発を加速させる一助となる可能性がある。

 今日の4カ国協力は、互いの強化を積極的に支援し合い、資源やノウハウをますます共有するようになっている。かつての日独伊三国同盟による「枢軸」連携でさえ、第三国から攻撃を受けた場合には互いに支援し合うことを誓約したが、具体的な作戦計画や調整は存在しなかった。

 対照的に、今日の4カ国の連携は、そのいずれかが関与する紛争に対し他の国々による間接的な介入を招く可能性が高い。また、これらの国々の間の技術移転は、地域レベルの勢力均衡を米国にとって不利な方向へ変える恐れがある他、制裁による孤立化はより困難になり、同時多発的な紛争のリスクも高める。

 これら各国の現指導部が権力の座にある限り、米国がこの連携関係を切り崩せる可能性は低い。しかし、米国が講じられる措置は存在する。制裁や輸出管理の更新・実施、不正な協力関係の実態公表、第三国を動かして圧力をかける事等が可能だ。


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